APR vs APY:知らないと損する違い
たった一文字、しかし意味は正反対。一般家庭で年間数百ドルの差になります。
APRとAPYはほとんど同じに見えます。どちらも「年率なんとか」と読めます。 貸し手が示すのが一方、銀行が示すのがもう一方で、広告では完全に交換可能なように響きます。実際は違います。 最も短くまとめれば、APRはローンの実コストを過小に見せ、APYは貯蓄の実利回りを正しく示します。 どちらがどちらで、それぞれ何を含めていないかを知っておくことは、文字どおりお金になります。
定義と、隠れたカラクリ
APR(年率)は、複利の頻度を考慮しない名目の年利です。 クレジットカードのAPRが24%で日次複利(多くがそうです)の場合、 日々の利息自体にも利息がついていくため、1年で実際に支払うのは24%よりも大きくなります。
APY(実効年利)は、複利を織り込んだあとの実質年利です。 貯蓄口座が「APY 5%」と謳っていれば、銀行の複利計算が日次・月次・四半期のいずれであっても、 残高を動かさなければ1年でその利率分が実際に得られる金額になります。
なぜこんな非対称があるのか。理由は規制です。米国では、消費者向けローンには貸金真実法(Truth in Lending Act)でAPR表示が、 預金口座には貯蓄真実法(Truth in Savings Act)でAPY表示が義務付けられています。 どちらの慣行も、その業界を有利に見せる結果になっています。貸し手の利率は実際より小さく、銀行の利率は名目よりも大きく見えるのです。
複利の計算、小さく示すと
年にn回複利される名目利率と実効利率の関係は次のとおりです。
APY = (1 + nominal_rate / n)^n − 1
名目24%、日次複利(n = 365)の場合:
APY = (1 + 0.24/365)^365 − 1 ≈ 27.11%
つまり「APR 24%」のカードは、残高を持ち越せば実際には年27.1%程度のコストになります。 5,000ドルの残高を1年間放置すると、利息は1,200ドルではなくおよそ1,355ドル発生します。
逆方向では、「APR 4.85%、日次複利」の貯蓄口座は、APYで4.97%を支払っていることになります。 銀行間で比較すべきはこちらの数字です。
APRがさらに過小に見せるケース
住宅ローンのAPRにはもうひとひねりあります。融資手数料、ポイント、特定のクロージング費用など、 ローンの初期コストを返済期間全体で割って金利に組み込むことで、これらを反映するように設計されています。 考え方としては有用ですが、APRはローンを満期まで保有することを前提としています。実際にそうする人はほぼ皆無です。 米国の住宅ローンの中央値は、売却または借り換えにより30年ではなく10年未満で完済されます。
したがって、複数の住宅ローンの見積もりを比較するときは:
- 長く保有するなら、APRのほうが比較として適しています。
- 5年以内に売却や借り換えの可能性があるなら、初期費用はAPRが示す以上に重く、低金利・高手数料の選択肢のほうが不利になることがあります。
日常生活でAPR vs APYが効いてくる場面
クレジットカード
ほぼ常にAPRで表示され、ほぼ常に日次複利です。 残高を持ち越したときの実コストは、表示された数字よりはっきりと高くなります。 24.99%のカードは実質およそ28.4%のカードです。
住宅ローンと自動車ローン
APRで表示されます。複利は月次なので、APRとAPYの差は小さく、APR 7%の住宅ローンの実効利率はおよそ7.23%です。 より大きな問題は前述のとおり、APRに織り込まれる初期費用のほうです。
高利回り貯蓄、MMF、CD
規制によりAPYで表示されるため、目にする数字がそのまま静的残高に対する利回りになります。 落とし穴は、貯蓄口座の利率はCDのように固定されていないため、 今日のAPYは将来の保証ではないという点です。
投資リターン
投資の「年利回り」は通常、年平均成長率(CAGR)であり、本質的にAPYと同じです。 「過去10年で年10%のリターン」と謳うファンドは、毎年単利で10%の利息を生んだのではなく、 資金が年10%で複利成長したという意味です。
要点
- APR = 複利前の名目。APY = 複利後の実効。
- ローンではAPYのほうがAPRより大きくなります。複利頻度が高いほど差は広がります。
- 貯蓄では銀行が既にAPYを表示しています。比較はAPY同士で行いましょう。
- 住宅ローンのAPRはAPRに初期費用を加えたもので有用ですが、満期まで保有する前提です。
- 表示金利を鵜呑みにせず、APR/APY計算機で実数を確認しましょう。