必要カロリーとTDEEの考え方

基礎代謝、活動係数、そして多くのオンライン計算機が一日数百カロリーずれている理由。

「自分は1日何カロリー摂ればいいのか?」は史上最もググられているダイエットの問いで、 多くの計算機が出す答えはおそらく上下に数百カロリー単位でずれています。 式そのものは信頼できる――ずれているのは、入力する数字のほうです。 ここではその裏側を解説します。

1つではなく2つの数字

1日の必要カロリーは2つの要素から成り立っています。

  • 基礎代謝(BMR)――完全安静時に、内臓を動かし、組織を修復し、体温を維持するためだけに燃やされるカロリー。 ほとんどの人で、1日の総消費カロリーのおよそ60〜70%を占めます。
  • TDEE(総消費カロリー)――BMRに加えて、歩行、運動、貧乏ゆすり、消化など、それ以外のすべて。 食事計画で実際に使いたいのはこちらの数字です。

BMRの推定:Mifflin–St Jeorの式

広く使われているBMRの式の中で最も精度が高いのは、Mifflin–St Jeor(1990年)です。メートル法では:

Men:   BMR = 10·weight(kg) + 6.25·height(cm) − 5·age + 5
Women: BMR = 10·weight(kg) + 6.25·height(cm) − 5·age − 161

身長165cm、体重65kg、30歳の女性なら:

BMR = 650 + 1031.25 − 150 − 161 = 1370 calories/day

Mifflin–St Jeorは、間接熱量測定の研究で数百人の成人から導かれた式です。平均的な人で約±10%の精度。 BMRが1500カロリーなら±150カロリーということになります。食事ログで50カロリーの違いに執着するときは、思い出しておく価値があります。

活動係数:誤差の最大の発生源

TDEEは、BMRに「活動係数」を掛けて、日中の活動量を反映した値です。標準的な梯子は次のとおりです。

  • 座位中心(デスクワーク、運動なし):BMR × 1.2
  • 軽い活動(週1〜3回の軽い運動):BMR × 1.375
  • 中程度の活動(週3〜5回の中程度の運動):BMR × 1.55
  • 活発(週6〜7回の強度高い運動):BMR × 1.725
  • 非常に活発(肉体労働 + トレーニング):BMR × 1.9

ここに落とし穴があります。ほぼ全員が自分の活動レベルを過大評価します。 「中程度の活動」と聞くと、週に何回か運動する普通の人のように響きます。しかし実際には、 この係数は構造的なトレーニングを長時間こなして本当にカロリーを燃やしている人々を基準に較正されています。 週3回、30分のペロトンを少しやる程度ではありません。

もう1つの落とし穴:デスクワーク中心の「座位」の人でも、犬の散歩や買い物に出れば実際にはBMR × 1.2より多く燃やしています。 実際のばらつきは、カテゴリーが示すよりも広いのです。

推定するなら、説明文から想像する1段階下を選ぶこと。それだけで、多くの人にとって答えが現実に近づきます。

より正確な道:記録して調整する

式は出発点を与えてくれます。実際のTDEEは、同じ人でも式の予測から±300カロリー程度ぶれます。解決策はシンプルです: 2〜3週間正直にログを取り、毎日体重を測り、自分の体が実際にどう動くかを見るのです。

体重1ポンド(約454g)はおよそ3,500カロリーの貯蔵エネルギーに相当します。したがって:

  • 日々の平均で体重が安定していれば、摂取カロリー = TDEE。これまで食べていた量がメンテナンスです。
  • 週に1ポンド減っているなら、TDEEより1日500カロリー少なく食べていることになります。平均摂取に500を足せばメンテナンス値です。
  • 週に1ポンド増えているなら、TDEEより1日500カロリー多い。500を引けばメンテナンス値です。

式でスタートラインを引き、体重計で真実を見つけましょう。

4日目に体重計が動かない理由

ある日の体重は雑音の多い信号です。1〜3ポンドの日内変動は普通で、ほとんどが水分、グリコーゲン、消化管の内容物が、 ナトリウム、炭水化物、水分摂取、運動、月経周期に反応した結果です。本当の脂肪減少は、その雑音の下にある信号です。

昨日と今日を比べないこと。今週の平均を先週の平均と比べましょう。3〜4週間経てば、トレンドラインは通常はっきり見えてきます。

減量や増量を狙う

メンテナンス値が分かったら:

  • 持続可能な減量――メンテナンスより300〜500カロリー少なく食べる。 平均で週0.5〜1ポンドの脂肪減少。タンパク質を十分(体重1ポンドあたり0.7〜1g程度)に取れば、 筋肉を大きく失わずに継続できる人がほとんどです。
  • 積極的な減量――メンテナンスより750カロリー以上少なく。減りは速いが継続が難しく、 筋肉減少とリバウンドのリスクが高い。短期集中の局面のみに使う。
  • リーンバルク――メンテナンスより200〜300カロリー多く食べる。週におよそ0.5ポンドの増加で、 ハードに鍛えれば多くは筋肉になります。

マクロ栄養素、簡潔に

体重の変化を決めるのはカロリー。体組成と気分を決めるのはマクロ(タンパク質、脂質、炭水化物)です。

  • タンパク質:体重1ポンドあたり0.7〜1g。筋肉を維持し、満腹感を保ちます。
  • 脂質:体重1ポンドあたり最低0.3g。ホルモン産生に必要です。
  • 炭水化物:残りのすべて。トレーニングと脳の燃料になります。

要点

  • BMRは安静時のベースライン消費。TDEEは活動を含む総消費。
  • Mifflin–St Jeorはおよそ±10%の精度でBMRを推定できる。
  • 活動係数は通常過大評価される――自分が思う1段階下を選ぶ。
  • 式は出発点として使い、3週間以上の体重トレンドで実地調整する。
  • 日々の体重は雑音、週平均が信号。

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