住宅ローンを理解する:元本、利息、そして償却

毎月の住宅ローン返済額が実際に何を買っているのかを、実践的に解説します。

40万ドルの借入を金利7%、30年返済の住宅ローンで組むと、毎月の元利返済額はおよそ2,661ドルになります。 ローン全期間で支払う総額はおよそ958,000ドル。借りた金額の2倍以上です。 この差額の558,000ドルはどこへ消えるのでしょうか。ほぼすべてが利息です。 そして、利息が返済の前半に集中して発生するという仕組みこそ、住宅ローンを理解するうえで最も意外なポイントです。

毎回の返済における元本と利息の内訳

住宅ローンの返済は、毎回2つの要素に分かれます。ローン残高を減らす元本部分と、 借りるための対価として銀行に支払う利息部分です。固定金利型のローンでは、 毎月の返済総額は変わりませんが、この2つの内訳は時間の経過とともに大きく変化していきます。

金利7%・30年ローンの初回返済では、毎月の支払額のうちローン残高を減らす部分はおよそ17%しかありません。 残りの83%は利息です。15年目――ちょうど返済期間の半分――を迎えても、ローン残高は当初借入額のおよそ72%が残っています。 返済期間の中間地点でも、家を「半分払い終えた」とは到底言えません。実際にはほど遠い状態です。

だからこそ、償却スケジュール(amortization schedule)を理解することが重要です。これは何かの罠ではなく、単純な算数です。 毎月の利息は、その時点の残高に対して計算されます。返済初期は残高が最も大きいため、利息部分も最も大きくなり、 元本に充当される金額はわずかになります。残高が減るにつれて、毎月発生する利息は少なくなり、 固定額の返済のうち元本に回る部分が増え、残高の減少が加速していくのです。

償却の計算式

借入額L、月利r(年利を12で割ったもの)、返済回数nカ月の場合、 毎月の固定返済額Pは次の式で求められます。

P = L · r · (1 + r)^n / ((1 + r)^n − 1)

借入40万ドル、年利7%(つまりr = 0.07 / 12 ≈ 0.00583)、360カ月をこの式に当てはめると、月額2,661ドルになります。 この式はあなたのクレジットスコアや頭金の額、地域の固定資産税には関係ありません。 それらはLrに代入する数字に影響するだけで、式そのものには影響しないのです。

Pが分かれば、月ごとのスケジュールは簡単に計算できます。

  1. 今月の利息 = 残高 × r
  2. 今月の元本充当額 = P − 利息
  3. 新しい残高 = 旧残高 − 元本充当額
  4. これを360回繰り返します。

当サイトの住宅ローン計算機がこのすべてを自動で計算し、 償却表をすべて表示するので、任意の月における元本と利息の内訳を確認できます。

繰上げ返済:レバレッジが効くポイント

毎月の利息は残高に対して計算されるため、ローンの早い段階で繰上げ返済をすると、 その残高に対して将来何年にもわたって発生するはずだった利息を消すことができます。 上の例で1年目に5,000ドルの繰上げ返済を1回行うだけで、総利息はおよそ32,000ドル減り、返済期間も約9カ月短縮されます。

同じ5,000ドルを25年目に支払っても、節約できる利息はおよそ1,400ドルにすぎません。 同じ金額でも、いつ支払うかでまったく異なる効果になるのです。 繰上げ返済シミュレーターが存在する理由はここにあります。タイミングは些細な要素ではなく、ゲームそのものなのです。

金利 vs APR:金利だけでなくローン全体のコストを見る

金利は、銀行が残高に対して請求する利率です。APR(年率)は、ローンを組むためにかかる初期費用―― 融資手数料、ポイント、特定のクロージング費用――を組み込んで、全体を年率換算で示したものです。

手数料8,000ドルがかかる金利6.75%のローンは、手数料ゼロの6.95%のローンよりもAPRが高くなることがあります。 2つ目のほうが表面金利は高いにもかかわらず、です。APRはより同じ土俵での比較になりますが、完璧でもありません。 APRは満期までローンを保有することを前提としていますが、実際にそうする人はほとんどいません。 5年で借り換えや売却をする予定なら、初期費用はAPRが示す以上に重要になります。

無視しても良い「経験則」

この手のルールは数多くあります。あまり当てにならないものをいくつか挙げます。

  • 「住居費は税引前所得の28%以内に抑えよ」 これは貸し手が融資審査に使うガイドラインであって、家計のアドバイスではありません。 他の支払い義務、ライフステージ、住んでいる地域は考慮されていません。 物価の高い都市では、ほとんど誰もこの基準を満たしていません。
  • 「15年ローンなら大金が節約できる」 名目上の利息支払い総額で見れば確かにそうですが、毎月の返済額が大きくなるため、 税制優遇のある投資口座への積立を圧迫します。正解は住宅ローン金利と、その投資で合理的に得られる利回りの差で決まり、 この符号は過去20年で何度も入れ替わっています。
  • 「常に頭金は20%入れろ」 20%入れればPMI(民間住宅ローン保険)を避けられ、借入額も減ります。しかし住宅市場が急騰している局面では、 あと1年待って20%を貯める間のコストが、数年分のPMI保険料を上回ることもあります。 ルールに盲従せず、必ず数字を回しましょう。

ローンを比較するときに本当に揃えるべき項目

複数の貸し手から見積もりを取るときは、次の項目を並べて比較しましょう。

  • 同じ借入額・同じ期間での金利。
  • ディスカウントポイント(1ポイントは借入額の1%で、通常0.25%程度の金利引き下げに相当)。
  • 貸し手の手数料:融資手数料、申込手数料、引受手数料、事務手数料。
  • 貸し手が指定または安価な業者を選べる第三者手数料。
  • サマリー指標としてのAPR。
  • もうひとつのサマリー指標である、クロージング時の必要現金総額。

同じ金利の見積もり2つでも、初期費用が5,000ドル以上違うこともあります。 当サイトの住宅ローン比較ツールで見積もりを並べて確認し、 既にローンがあって新しい条件と比較したい場合は借り換え計算機もご利用ください。

要点

  • 利息は残高に対して計算されます。返済初期は残高が最も大きいため、返済額のほとんどが利息になります。
  • 償却の計算式は固定です。残りはすべて入力値の問題にすぎません。
  • 早い時期の繰上げ返済は絶大な効果があります。遅い時期では、ほとんど効果がありません。
  • APRは金利単体よりも比較に適していますが、ローンを満期まで保有する前提です。
  • 経験則ではなく、数字を信じましょう。